強くなる理由 2

 

爽やかな風が草木を揺らす。

青年の帽子から覗く銀髪もわずかになびき、それは美しいものだった。
女性は、しばらく彼の整った横顔に見惚れていた。

町はもうすぐそこ。

女性はそのことに気がつくと、少し慌てたようにまた話を始めた。


「あっ・・・・・・じゃあ、どうしてそんなにも強くなりたいんですか?」

「・・・・・・!?」

何気ない質問だった。

しかし、その瞬間青年は大きく目を見開いた。
が、女性はそれに気がつかなかった。

 

ようやくサンマリーノに着いた。

「あ、良かったら酒場でお酒でも・・・・・・」
町の入り口で、女性は振り向いて話しかける。
しかし・・・・・・

「あら・・・・・・?」

もうそこに、青年の姿はなかった。

 

 

 

青年は、サンマリーノに背を向けて歩いていた。

 

―どうして、そんなに強くなりたいんですか?

 

・・・・・・どうしてだろう。

俺は強くなって、どうするんだろう・・・・・・

ガキの頃から、ただ必死に闘い続けてきた。

強くなりたくて・・・・・・ただ、それだけの為に・・・・・・

じゃあ、世界一の剣を手に入れたら・・・・・・?

世界一強くなったら・・・・・・?


俺はどうする・・・・・・・・・・・・?

 

―姉ちゃんを返せ!!

―来ちゃ駄目よ! 早く逃げて!!

―嫌だ! 嫌だ!! 姉ちゃん__________!!!

 

 

どんなに強くなっても、

もう・・・・・・あの日には戻れない・・・・・・


戻れないのに__________________

 

ゆっくりと閉じた青年の瞳から、静かに雫が流れ落ちた。

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あとがき

とんでもなくシリアスでした。
でもテリー視点ということで個人的には満足←
ビビアンを助けたとき、こんな会話をしてたのかなぁと想像して書きました。
こちらのお題絵も、もとになっています。
読んで下さってありがとうございました!

 

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