爽やかな風が草木を揺らす。
青年の帽子から覗く銀髪もわずかになびき、それは美しいものだった。
女性は、しばらく彼の整った横顔に見惚れていた。
町はもうすぐそこ。
女性はそのことに気がつくと、少し慌てたようにまた話を始めた。
「あっ・・・・・・じゃあ、どうしてそんなにも強くなりたいんですか?」
「・・・・・・!?」
何気ない質問だった。
しかし、その瞬間青年は大きく目を見開いた。
が、女性はそれに気がつかなかった。
ようやくサンマリーノに着いた。
「あ、良かったら酒場でお酒でも・・・・・・」
町の入り口で、女性は振り向いて話しかける。
しかし・・・・・・
「あら・・・・・・?」
もうそこに、青年の姿はなかった。
青年は、サンマリーノに背を向けて歩いていた。
―どうして、そんなに強くなりたいんですか?
・・・・・・どうしてだろう。
俺は強くなって、どうするんだろう・・・・・・
ガキの頃から、ただ必死に闘い続けてきた。
強くなりたくて・・・・・・ただ、それだけの為に・・・・・・
じゃあ、世界一の剣を手に入れたら・・・・・・?
世界一強くなったら・・・・・・?
俺はどうする・・・・・・・・・・・・?
―姉ちゃんを返せ!!
―来ちゃ駄目よ! 早く逃げて!!
―嫌だ! 嫌だ!! 姉ちゃん__________!!!
どんなに強くなっても、
もう・・・・・・あの日には戻れない・・・・・・
戻れないのに__________________
ゆっくりと閉じた青年の瞳から、静かに雫が流れ落ちた。
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あとがき
とんでもなくシリアスでした。
でもテリー視点ということで個人的には満足←
ビビアンを助けたとき、こんな会話をしてたのかなぁと想像して書きました。
こちらのお題絵も、もとになっています。
読んで下さってありがとうございました!