俺が話し終わると、すずは暗い顔をしていた。
「ひどいよ……アムイ君が夜中もバイトしてためたお金なのに……」
…………!?
何故……知っているんだろう。
俺が夜中にバイトしていることを。
でも、アイツ……俺の努力をわかってくれたのか?
俺の気持ちをわかってくれたのか?
「でも大丈夫! 頑張れば何とかなるよ!!」
アイツは簡単に言うけど……
無理だ。だって俺………………
「俺、1人だし……どうにもならねぇよ……」
「……一人じゃないよ」
顔を上げると、すずが微笑んでいた。
「私がいるよ。アムイ君は1人じゃないよ」
「…………」
「食費は大丈夫! 私が料理作るから! ねっ、一緒に頑張ろう!!」
それだけ言うとすずは台所へ行った。
涙がとまらなかった。
俺は1人が好き。好きなはずなのに…………
―1人じゃないよ
この言葉を聞いた瞬間、涙があふれて止まらなかった。
―お前はこれからずっと……1人だ
6年前、親父に言われた言葉。そして、親父に裏切られたあの日から
俺は誰も信じることができなかった。
今までいた友達も、先生も、近所の人も、いつかは俺のこと裏切るんじゃないか……って。
だから、もう誰とも関わらずに1人でいようと思った。
そして、俺は1人が好きなんだと思うようになっていた。
でも、違うのか…………?
本当は、誰かに言ってほしかったのか……?
「一人じゃない」と………………
俺が泣きはらして、しばらくするとすずが作った料理を持ってきて並べ始めた。
「私の料理、けっこうおいしいんだよ~?」
並べながら アイツはまた笑っている。
アイツは、俺の気持ちをわかってくれた
アイツなら、俺のこと裏切らない……?
アイツなら、信じても…………………………
「なぁ……」
「ん、何~?」
「ありがとな……すず」
俺がそう言うと、すずは
心から嬉しそうな笑顔で俺を見ていた。