「笑顔」 4

俺が話し終わると、すずは暗い顔をしていた。

「ひどいよ……アムイ君が夜中もバイトしてためたお金なのに……」


…………!?

何故……知っているんだろう。

俺が夜中にバイトしていることを。

でも、アイツ……俺の努力をわかってくれたのか?

俺の気持ちをわかってくれたのか?


「でも大丈夫! 頑張れば何とかなるよ!!」


アイツは簡単に言うけど……

無理だ。だって俺………………



「俺、1人だし……どうにもならねぇよ……」






「……一人じゃないよ」



顔を上げると、すずが微笑んでいた。

「私がいるよ。アムイ君は1人じゃないよ」


「…………」


「食費は大丈夫! 私が料理作るから! ねっ、一緒に頑張ろう!!」

それだけ言うとすずは台所へ行った。









涙がとまらなかった。


俺は1人が好き。好きなはずなのに…………



―1人じゃないよ





この言葉を聞いた瞬間、涙があふれて止まらなかった。

 

 

―お前はこれからずっと……1人だ



6年前、親父に言われた言葉。そして、親父に裏切られたあの日から


俺は誰も信じることができなかった。


今までいた友達も、先生も、近所の人も、いつかは俺のこと裏切るんじゃないか……って。

だから、もう誰とも関わらずに1人でいようと思った。

そして、俺は1人が好きなんだと思うようになっていた。



でも、違うのか…………?


本当は、誰かに言ってほしかったのか……?



「一人じゃない」と………………







俺が泣きはらして、しばらくするとすずが作った料理を持ってきて並べ始めた。

「私の料理、けっこうおいしいんだよ~?」

並べながら アイツはまた笑っている。




アイツは、俺の気持ちをわかってくれた


アイツなら、俺のこと裏切らない……?


アイツなら、信じても…………………………



「なぁ……」

「ん、何~?」







「ありがとな……すず」







俺がそう言うと、すずは


心から嬉しそうな笑顔で俺を見ていた。