「笑顔」 3

どうすればいいんだ……貯金を半分取られた……

残りの金で家賃は払えるが、学費や食費は……


―コイツ、金 少なすぎだろー

―うわっ、ビンボーかよ


うるせぇ! これでも必死でバイトして稼いだんだよ!!

いや……誰も俺の気持ちなんて…………



―父さん! どこ行くの!?

―どこだっていいだろう……もう俺は、お前のところには帰ってこないんだからな……

―え……!?

―お前はこれからずっと、1人だ。じゃあな……

―待って!! 父さん!母さんが死んで、ずっと一緒にいてくれるって言ったよね!? 嘘だったの!? 父さん!!


―父さん________________________!!!





家族なんていらない……

友達なんていらない……

どうせ俺のことわかってくれない

そして、いつか裏切るんだ




だから……俺は1人でいる………………

 

 

痛む体を引きずって、なんとかアパートの前までたどり着いた。


「あっ、アムイ君! どうしたの? その傷!?」

俺を待っていたのか、階段のところにすずがいた。


「……お前には関係ない」

俺は無視して階段を上るが、途中で踏み外してしまう。

「ダメダメ! 私が手当てしてあげるから」

そう言って無理やりすずの部屋に入れられた。



「お前……何で俺にかまうんだよ……」

救急箱を探しているすずが振り向く。

「え?」

「お前に……ひどい事言ったのに……」



―何で包帯してんの?



自分が言った言葉を思い出す。


「あははっ 私、全然気にしてないよ?」

え…………?

「誰だって不思議に思うもんね。気持ちの整理がついたら、また話すから……」


変な奴だと、俺は思った。
俺が半分嫌味で言った言葉をそのまま感じるなんて。

すずは救急箱を持ってくると、俺の腕や背中にシップをはり始める。

「わぁ……ひどいあざ、一体何があったの?」


いつもの俺なら「別に」とか「関係ないだろ」とか言って、話さなかっただろう。
でも、なぜかあの時の俺はすずに全部話していた。


コイツなら聞いてくれるかもしれない 



そう思ったのだろうか。