素直じゃないんだから

 

「ねぇテリー、あたしあれほしいな」

今日は皆で町に買い物に来た。
それぞれ別行動をしていて、あたしは防具屋の前を通った時、
そこに飾られてあったマジカルスカートにくぎ付けになってしまった。

「やめとけ、金の無駄だ」

テリーは横で鎧を見ながら素っ気なく言った。

「でもあのスカート、あたしに似合うと思わない?」
「思わない」

 

「もう! 何なのよテリーは! 自分は鎧買ってるくせにー」

「あら・・・・・・バーバラどうしたの?」

後ろを振り向くと、ミレーユが不思議そうな顔で立っていた。
何か買ったのか、袋を抱えている。

あたしがさっきのことを話すと、ミレーユはくすりと笑った。

「まったく・・・・・・相変わらずね。あの子は・・・・・・」

ミレーユは装飾品の店で足を止めると、売っているものを眺め始める。

「笑い事じゃないよ~」

あたしも隣で一緒に眺める。
少しして、ミレーユは一つのリングを手に取ると、店員にお金を渡した。

「で、結局買わなかったの?マジカルスカート」

そして、また歩き出す。

「うん。だってテリーが似合わないって言ったし・・・・・・テリー、あたしのこと嫌いなのかな・・・・・・」

「それは違うと思うわ」

あたしが顔を上げると、ミレーユは優しく微笑んでいた。

「きっとテリーはバーバラのこと大好きよ。ただ、それを言葉に出せないだけ」

「ほ、本当に・・・・・・?」

「ええ、だから大丈夫よ」

 

「ミレーユ・・・・・・ありがとう」

 

 

しばらくして、あたしがテリーを探していると彼は今度は武器屋の前にいた」

「テリー! 見てみて~!」

「・・・・・・!!」

テリーは少し驚いた顔であたしを見た。

「マジカルスカート買っちゃった! 似合うでしょ?」

あたしが近づくと、テリーはそっぽを向いた。

「・・・・・・金の無駄だと言っただろ」

 

「・・・・・・素直じゃないんだから」

「何か言ったか・・・・・・?」

「ううん、何でもないですよ~だ」

武器を眺めるテリーの横顔は、ほんの少しだけど赤く染まっているような気がした。

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