知らない過去

 

「じゃあアリーナさん、これお願いしますね」

「うん、わかった」

 

ミネアからおかゆがのったお盆を受け取ると、私は宿屋の階段を上った。
ここは、エンドール城下町の宿屋。

旅の途中、突然ソロが倒れたのには驚いた。
高熱があるようだったので、慌ててみんなで広い宿屋のあるエンドールに、ルーラでやってきたのだ。

ソロをベッドに寝かせると、私とミネア、クリフト以外のみんなはどこかに行ってしまった。
たぶん、カジノだと思うけど。
そして私は、ミネアが作ってくれたおかゆを部屋まで運んでいる。

そう言えば、クリフトはどうしているんだろう。自分の部屋に居るようだけど・・・・・・

 

そんなことを考えていると、ソロの部屋に辿り着いた。

「ソロ、入るよ」

 

部屋に入ると、ソロはまだベッドで寝ているようだった。
エメラルド色の綺麗な髪が、少し汗で濡れている。

私は、ベッドの横におかゆを置いた。

「・・・・・・ん?」

床に落ちているソロの鞄から何かが見える。

 

「・・・・・・羽ぼうしだ」

 

少し汚れている羽ぼうし。
どうしてこんなものを持っているんだろう。

そう思いながら被ってみる。
ただ単に帽子が好きだから、なんとなく被ってみたかった。

 

「ん・・・・・・ううん・・・・・・」

その時、ソロがうっすらと目を開けた。

「ソロ! 気が付いた?」

ソロは起き上がると、ぼんやりとした目で私をじっと見つめる。

 

「ソロ・・・・・・? どうしたの・・・・・・
「シンシア・・・・・・」

 

__________え?

 

突然、ソロが涙を流しながら言った。

 

「ごめん・・・・・・俺、守れなかった・・・・・・村も・・・・・・シンシア・・・・・・も・・・・・・」

 

途切れ途切れになりながら

 

「本当・・・・・・に、ごめん・・・・・・シンシア・・・・・・」

 

 

私は訳がわからず、ただソロを見ていた。

私の知らない名前を呼ぶソロを・・・・・・

私の知らないソロを・・・・・・

 

あなたは過去に何があったの・・・・・・?

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あとがき

短編と言いながら話は続いていますね(汗
ソロはみんなに自分の過去を話していないそうです。
たぶん知られたくないんですね。
相変わらず暗い話ばかりです・・・・・・うーん、困った(苦笑
読んで下さってありがとうございました!