自然と溢れた涙

 

「いよいよ明日・・・・・・だね」

 

宿屋の俺の部屋で、アリーナは言った。

明日はついに、デスピサロとの闘い。

前日だからか、皆それぞれの部屋に入ったまま出てこなかったけれど、
アリーナは突然、俺の部屋に入ってきたのだ。

俺は自分のベッドに腰掛けて話を聞く。

 

「でも、ソロがいたら絶対大丈夫! ソロすっごく強いもんね!」

俺の前に立って笑顔を見せるアリーナ。

いつもと変わらない、明るい表情。

でもなぜか、俺の中でその言葉が引っかかった。

 

「俺・・・・・・」

「ん?」

 

「強くなれたのかな・・・・・・」

 

村を守れなかった俺は・・・・・・

シンシアを守れなかった俺は・・・・・・

本当に変われたのだろうか。

本当に・・・・・・

 

その時、目の前で栗色の髪の毛がなびく。

そして俺は、アリーナに抱きしめられていた。

彼女の優しい香りが広がる。

 

「・・・・・・おやすみ、ソロ」

 

アリーナは静かにそう言うと、俺から離れて部屋を出て行った。

バタンッ

 

ドアが閉まる音と同時に、目から涙がこぼれた。

悲しくもないのに、

辛くもないのに、

理由なんて何も無いはずなのに・・・・・・

 

自然と涙が溢れていた。

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